新春来福

読んで字の如く、新しい年に福が来ることをお祈り申し上げます、という意味の賀詞。眺めてるだけでとても気分が明るくなるような、字面が好きである。

一年とは本当に長いようで短く、歳を重ねるほどに何故か駆け足に感じ、速度を増して過ぎていくような気がする。これは充実という名の証なのか、はたまた忘我なのか。 もういっそ、私はどちらでもいいとすら思っている。ただ、無駄にできる時間は一瞬たりともないということ。思い返してみると、まだ幼い頃は親の用事や都合に振り回され【待つ】という名もなき時間を過ごすこともよくあったものだ。留守番にしろ、買い物に付き合うにしろ、何かと。 あれは、今思えば【暇】という、望んでもなく与えられる時間だったに違いない。

あの頃は何も考えていなかった、と言うに等しかったと思う。大人になった今は【暇】は自分で作るものとなり、努力して手に入れる存在になった。

【福】も同じに感じる。今までは親や環境に与えられたものかもしれないけれど、今は自分の力で手にできるものとなった。逆に言えば、自分の手で掴み取らなければいけないものになった。普段の行い、などとよく言うがそれは努力のような気もするけれど、少し神頼み的なところもある。 私が指しているのは自分が【福】だと思う環境そのものを自分の力で掴みにいく、ということ。なぜか大人になる度、妙な冷静さや経験が邪魔をして、諦めがちになる人は多いかもしれない。

がむしゃらに駆け抜けることのできた青春時代には出せた気合が、何故か大人になると出せなくなる。人間は、楽な方へ引っ張られがちだ。楽の仕方を覚えた経験値豊富な人間ほどがむしゃらに戻れなくなる。でも本当は増えた経験値を使いこなして、さらにがむしゃらになれる能力は増えているはずなのに。

新しい年になった。福が来るのを待たず、取りに行こう。新しい世界に踏み出す場面が、きっと今年もたくさんある。私はそのステージに皆さんが上がるためのお手伝いを担っています。マリエ炸裂させてください。

今年もどうぞ宜しくお願い致します。                               MARIE