私は元々はコンプレックスの塊。もっとこうなりたかった、もっとこんな風に生まれたかった、そんなのをあげれば両手では足りないほどあった。
でも思い返せば、その数え切れないほどのコンプレックスをどうやったら克服できるか?を追求したおかげで今、アドバイスできる側になっている気がする。悩んだことがないほど恵まれている人もいるかもしれないけど、それはごく一部だろうし、本人にしかわからない悩みも必ず一つはあるのだと思う。
悩んだことがあるというのは、誰かの痛みに寄り添えることだ。解決法を見出してきたのならそれを共有して、同じことで悩む人を一人でも減らしたい。これは私が美容師をやる上でいつも考えていることだ。
Twitterのネームを一時期【マリエ 魅せ方コンサルタント】にしていたことがある。私が掲げている「魅せ方」とは、外見のことだけではない。コンプレックスを克服する方法を見つけ、自信を持って人生を歩む。それによって心の中にある「自分の在り方」を見出していくことで、堂々とした雰囲気や立ち振る舞いを自分のものにしていく、ということを指している。
たまに、「メイクすると超変わるよね笑」って言ってくる人、いませんか?笑 それが私は全く理解できない。なんのために言うのか、自分はすっぴんでも超カワイイとでも言いたいのか、ただ言ってみただけなのか、まぁまずあまりいい気分はしない。
だって自分の【もっとこうなりたい】に近づけるために、自分のコンプレックスを上手く隠したり、良さを活かしたり、自信を持って輝くためのものがメイクではないのか?だからそのセリフに違和感しか感じない。
髪型だってそう。生まれつきの髪質や骨格を変えることはできないけれど、どう見せたいか?は変えることはできる。だからヘアスタイルは大事なのだ。悩みを忘れるくらいご機嫌になれる髪型に出会えば毎日はハッピーで仕方ない。天から与えられたものだけれど、それを悩みとする誰かがいるのなら、私はそれに応えるための技術を磨き、知識を蓄えるまでだ。
人間は恵まれている
私にも「私なんて・・・」と思う時代があった。でも、自信を持てる自分でいたい、と強く願ったからこそたくさん「魅せ方」について追求してきた。そこに奇跡的に美容師という職業に出会って、誰かの「魅せ方」を変えてあげられるスキルを身につけてきた。
鹿は生まれつきのツノの大きさや立派さでオスとしての評価が決まる。鳥も生まれつきの羽の色でモテ方が変わったりする。なんて非情な運命だろう。
人間はメイクやファッションや様々な魔法を使うことが許されている。 人間は自分の頑張りで、モテ方も人生も、変えていけるのだ。