微妙に惜しい事件

先日の大雪で、除雪に悩まされた私は、懲りた。スコップをゲットし、融雪ホースを取り付けた。これで当分万全だ。そう思っていた。

が、父がまさかの、ここにきて「十日町産のアルミのダンプを買ってやる」と、名乗り出た。はー・・・。まあ要らないことはないが、言い出したら聞かないし、要らないなんて言うとへそを曲げてめんどくさい。そう思った私は虚な目で「わーありがとうウレシイナ」と答えた。

父はわざわざ十日町のホームセンターに電話し、予約していた。笑える。スノーダンプ、予約したことありますす??? そんなおおごと??? 謎に思いながらも、その日はすぐに来た。

確かにアルミで軽くて、まぁまぁ見た目がカッコイイ。そもそもスノーダンプにかっこよさを求めていなかったが、まぁ、見た目は少しでもいい方がいい。

それで終わる話ならば、ブログには書かなかっただろう。でも、事件はここからである。

数日、活躍することなく風除室で出番待ちしていたダンプだが、ある朝父はこう言い放った。「盗まれると悪いからおとーさんが名前を書いてやる」 と。

いやいやいや。待って待って。そんなもの盗まれるかなぁ?www 百歩譲って外置きならまだしも、風除室にいてるんやで??? でもここで断ろうもんならまためんどくさい。そう判断した私は、遠くを見つめながら「わーーい。アリガトウ」 と答えた。                      

さあ張り切った父は、颯爽と道具を持って店に現れた。営業終了近くにやって来てもそもそと作業を始め、私も完全にお任せして自分のやるべき片付けを懇々と遂行した。

「終わったよ」と声をかけられたが、特に確認もせずありがとう、とだけ答えた。その後、家族で夕食をとっていた時だった。ふと思い出して「そういえば今日はありがとうね」 別に全然嬉しくなかったけど一応礼儀としてお礼を告げた。すると、父がふふふ・・・と気まずそうに笑ったのだ。

????  「何?」問いかけると、父はうすら笑いながら答えた。「出来上がってから気づいたんだけどさぁ・・・あれ、MARIEじゃなかった笑」

父の言っていた意味はこれだった。

【A】 が抜けています笑  娘の名前のスペル間違えますかい??? 造語の店名でもあるまいし。娘の名前ですよ?? 張り切ったわりには微妙に惜しい事件です。和ませてくれてアリガトウ。